MESSAGE FROM DIRECTOR所長挨拶

帝京大学文化財研究所長
山内和也

所長挨拶

帝京大学文化財研究所は、2012年、国内外において専門性の高い研究を実践し、その研究成果を基に学生教育を行なうことを目的として設立された研究所です。考古学や歴史学、文化財化学、文化遺産学を包括的かつ学際的に研究するとともに、研究所の教員が実践する特徴ある研究の成果を学部、そして大学院における学生教育に活かしていくことを目標としています。その意味で、帝京大学文化財研究所は、帝京大学の3つの教育指針である「実学」、「国際性」、「開放性」を実践する場となっています。

研究所の名称の一部ともなっている「文化財」は社会の変化や人々の価値観の変化によって、その対象とされるものが時代とともに変化してきています。現在では、「文化遺産」という名称でも同じような意味を持つ言葉として用いられるようになってきています。寺社などの建物や美術工芸品、埋蔵文化財といったものもあれば、伝統文化や祭り、文化的景観、歴史的な街並みといったものも広く文化財、あるいは文化遺産と認識されるようになり、有形のものだけでなく、無形の文化財・文化遺産もそれに含まれるようになってきました。これらの多様な文化財・文化遺産を保護し、継承し、活用していくためには、学際的な研究交流と実践的教育が不可欠です。

帝京大学文化財研究所は日本国内のみならず、国外にも積極的に活動の場を広げています。特に、シルクロード沿いの国々では、シルクロードの歴史や文化の研究を行なうとともに、文化財や文化遺産を研究し、その保護に対する取り組みを推進しています。

これからも本研究所は、国境や分野を超えて、文化財・文化遺産の調査・研究、そして保護、さらにはそれに携わる人材育成と技術移転に向けて、尽力したいと考えています。ますますのご支援、ご協力を切にお願い申し上げます。